最近の日本映画がこれほど高いクオリティなのは背景があると思う。
日本社会が抱える課題があまりにも多く、深いからだ。
抱える課題が深ければ深いほど、芸術が静かに爆発する。
ある時は音を立て、ある時は静か中で。
この映画も様々は課題が包含されている。
家族、教育、LGBT、おとな社会、性など。
主人は母親と二人暮らしだが、多少生活に困難さを抱えてはいても、それなりに生きている。
その生活が静かに変化していく。
しかし、誰が悪いというわけではない。

この映画の中で含蓄ある言葉は、田中裕子扮する校長先生のこの言葉。
「だれかにしか手に入らないものは、しあわせって言わない。しょうもない、しょうもない。だれでも手に入るものをしあわせっていうの」
もう一つは、
二人が秘密基地で大雨の難から逃れられたラストシーン。
ヨリ「生まれ変わったのかな?」
ミナト「ないよ。そんなの元のままだと思うよ」
そう言って二人がフリーダムに駆けていく。
印象的なシーンがもう一つ。
2種類の吹奏楽器を校長先生とミナトが不協和音を吹くシーン。
それぞれの音を鳴らすのは、自分たちの人生そのもの。
不協和音であっても自分の人生を生き続ければいい、と表現しているよう。
自らの気持ちの持ちようが心を閉じさせ、開放させる。
「怪物」は自分の中にあり、周囲は何も変わっていないのだ。
音楽の担当は坂本龍一氏。
★★★★
この映画はもう一度観よう!
ネットでだが、久しぶりに映画を観て、スッキリした。


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