藤原宮跡の蓮

蓮を見たいと友達がいうので、朝の5:30に私の家の前で待ち合わせた。
自宅から藤原宮跡までは約4キロで、徒歩で約1時間。
友達と喋りながらだと、時間の長さを感じず、あっという間に着いたように思えた。
早朝5時半からのウォーキングなのに、すでに汗がにじみ出る。
藤原京は香久山、耳成山、畝傍山の、いわゆる大和三山に囲まれた場所にあるが、特に香久山が一番近い。藤原京の北東端から眺めると、持統天皇が詠んだ光景もこうだったんだろうなあと思う。
 

       「春過ぎて/夏来たるらし/白妙の/衣ほしたり/天の香具山」

その持統天皇の宮である藤原京では、この時期、蓮が盛りを迎える。
朝早くの蓮の開花を見ようと、一眼レフに大きな望遠レンズを持っている人もいれば、広角で全体を撮影しようとする人もいる。スマホを持つ人も。誰がどのようにとってもそれなりに写るからだろう。

朝日を被写体の向こうから差し込む位置に構え、花びらを透かすと、美しさが際立つ。
葉や水滴に着目するのもいい。

蓮の葉っぱは細かい繊毛で覆われているため、水をはじく。
弾かれた水滴はそれらを集めて大きな滴に育ち、重さや風で傾くと、下にこぼれ落ちるという、実に練られた戦略だ。

私はこの水滴を撮影するのが好きだ。

八木重吉に「雨」という詩がある。

「雨は土をうるおしてゆく/雨というもののそばにしゃがんで/雨のすることを見ていたい」

同感である。

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