東京、千代田区「珈琲 可否道」さん

今日は5月25日だから、この店を訪れてもう3日になる。
半蔵門のグランドアークで泊まり、同行者と少しの時間的な隙間を利用して入ってみた。
国立劇場の向かい、平河町の半地下にあるカフェだ。

自然光がほとんど差し込まない地下は、ある意味外界から閉ざされている。
明かりは人工的であり、空気も淀む。
しかし、逆に言えば、一種独特な空間となる。
このカフェは半地下なので、ある程度は光が入る。
しかし、差し込むというほどではない。
その変わり暖色系の照明が、この店の雰囲気を支配していた。

なぜ「可否道」という名前になったのか?
「可否道」で「コーヒー道」と読ませるのかもしれないが、可と否なのは、本物とそうでないものとをしっかり見てくれ!的な、いわば挑発的な名前のように思うが。

さて、ここはといえば、奥行きのある間口の狭い空間に、カウンターだけの客席。
テーブルは暑さ5センチ異常はありそうな重厚な一枚板。
さながら、ショットバーのような雰囲気で、店員さんとそれなりに会話を楽しめる。

コーヒーを入れる器は、自分の好みで選ぶことが出来る。
カウンターに座った視線で選ぶ(わざわざ立って選ぶ者はほとんどいないだろう)。
私が選んだのは有田焼き(もっともここに置かれているカップのほとんどは有田焼)で、○万円の品だ、飲んだ後にマスターから聞いた。
有名な作家なのだそうだ。

「この名前だけは忘れないでほしい」と言われたが、1分後には忘れてしまった。
こんなに多くの数が並んでいるのは、かつて3ケ所あったお店のうち2店舗を閉業し、そこにあったカップたちをここに集結させたためだという。

コーヒを飲む前に、「香りと味の違いを楽しんでほしい」とマスター。
なるほど、全然違う。
焙煎してあるのだから、香りも香ばしいはずだが、鼻につかない。
しかし、コーヒーを口の中に含ませると、パッと口の中に広がった。

昼食を別に摂るのも億劫になってきたので、メニューにある「海苔トースト」を頼んでみた。
本当はこの店にもう少しいたかったからだ。
口の中にポワーっと潮の香り、海の匂いが広がり、美味だった。
「簡単にできるので、お家でやってみてください」と、マスターがゆったりとした優しい口調で話された。
「でも、たいがいのお客さんはここのトースターと味が違う」と言われるんです。
「ここのは醤油を使っているからなんで、忘れないようにしてください」

時間が迫ってきたが、やはり席を立つのが嫌だった。

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