
一月ほど前に、WAY書店でふいに買った『食堂かたつむり』を読了。
「食」が周りの人を豊かにし、巡り巡って自分も変革していく。
その「食」とは単に食事というものではなく、厳しすぎる程の食の道と言うべきもの。
恋人との理不尽な別れも、母親との確執も、心の変容はもう少し複雑でありもっとグラデーションがあるはずなので、そこら辺はもうちょっと繊細に描写してはどうか・・・とは思った。
「私は思うのだけれど、女系家族の気質というのは、必ず隔世遺伝するのではないだろうか?
つまり、おかんは貞淑すぎる実の母親に反発してそれとは正反対な波乱万丈な生き方を選択し、その母に育てられた私は、そうはなるまいと反発し、また、それとは正反対の地道な生き方を選択する。永遠のオセロゲームをしているようなもので、母親が自ら塗り替えたところを、娘は必至に黒に塗り替え、それをまた、孫は白に塗り替えようと努力する。」
しかし、実はそうではない。やはり隔世遺伝はせず、普通に遺伝して受け継がれていく、というオチ。
波乱万丈はどちらかが選択した道ではあっても、貞淑は親子にとって同じゴールというわけだ。
(親子関係において)
「もう、決して戻らないもの。
けれど、こうしていつまでも残るもの。
そして、これから、根気強く探し歩けば、きっと手にすることができるものもまた、この世にはたくさん眠っている」


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